一度知ってしまったら、二度と知らなかった昔には戻れない

(福岡県)株式会社 杜の蔵

酒本銘酒頒布会「純米酒を極める」の常連蔵で、西の横綱「杜の蔵」が満を帰しての登場です!
思い起こすこと 2016年3月、「酒本久也と行く筑後3場蔵元巡り」の初日、森永和男4代目前社長(現会長)と帰り際に蔵の庭先で立ち話をした際、「純米酒の時代がやっと来ましたね。酒本さんの今までの努力が報われましたね。」そう仰ってくれました。
私は感極まり、涙が込み上げてきてどうしようもありませんでした。
森永会長とは、私が純米酒に取り組んだ20代のときから辛い時代を二人三脚でともに過ごした、酒本のもっとも古参で、米本来の旨味を追求するパートナー蔵元であり、洞爺湖温泉・札幌で開催される春の「酒本銘酒祭り」と室蘭・札幌で行われる秋の「酒本地酒&ワイン祭」には、両方とも毎年欠かさず参加してくれる信頼の蔵元です。
現杜氏「末永雅信」氏(4代目杜氏)の父で、顧問杜氏「末永利幸」氏(3代目杜氏)は、鷹勇の「坂本俊」前杜氏とともに私が最も尊敬し信頼している杜氏です。
「ふっくらとした広がりのある酸をもつ純米」を醸す名人です。
その技は確実に伝承され、ご子息が更なる進化を遂げているのはご承知のとおりです。
蔵の看板杜氏であり、酒本には、なくてはならない純米を醸し続けてくれています。
思い返せば平成17年、5代目蔵元「森永一弘」氏は、蔵元就任直後に、九州で初めて全量純米酒蔵として再スタートを切るという大英断を下しました。
当時、純米酒の認知度は今ほど高くはなく、私がこの決意を蔵元から直接聞いたのは、鳥取の「花じまん」(故上原浩先生行きつけの店)のカウンターでした。
上原先生が隣に鎮座し、嬉しそうに私たちの話に聞き入っていらっしゃった姿が忘れられません(少し浪花節になりました。すみません!)。
涙ながらにこの決意を伝える一弘蔵元と、『心中しても良い』と私が決意した瞬間でした。
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