一度知ってしまったら、二度と知らなかった昔には戻れない

(福岡県)みいの寿

昭和の時代からの酒本の最も古くからのパートナー蔵元です。
「三井の寿」の醸造元井上合名さんの蔵は、田園地帯の中にあり、蔵のすぐ前に清流「小石原川」が流れるのどかな田舎風景が広がります。
先の北九州を襲った大雨による川の氾濫と土砂災害でそののどかな田園風景も周りの田んぼが水に浸かり被害がありました。
おかげさまで蔵は寸前のところで被害を免れることが出来ましたが、川のすぐ前ということもあり、心配された全国のファンも多くいらしたと思います。
時はさかのぼり、昭和62年春のことです。
九州筑後に「いい純米」を醸す蔵があると耳にして訪問したのが最初です。
久留米の駅に「井上茂康」蔵元が出迎えてくれました。
この時が、井上蔵元と私の『鉄の結束』の始まりでした。
蔵に寝泊まりし、造りを覚えたのもこの蔵です。
夜中の2時、仮眠から目覚めた能登原新助杜氏(故人)が、仕込桶の醪(もろみ)の状態を、まるで赤子を見つめるような目でみつめている凛とした後姿の美しさを、今でも忘れることはできません。
酒つくりに携わる「杜氏」の『純真さ』を伝えるのも自分の役割なのだと自覚したのもその時でした。
その後も上原浩先生(故人)と毎年のように訪問させて頂きましたし、平成の初めころ、札幌の飲食店で行われた地酒人気コンテストで「麗吟」が1位・「大吟醸」が2位という快挙を成し遂げたのも昨日のことのように思い出します。
麗吟を飲んで純米が好きになったという人も多く、この酒は酒本のロングセラー純米です。
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